雲間から差す光のように、希望を乗せた船出 ざあざあと降り続く雨。世界が水に覆われようとするその時、ノアの方舟は、多くの生き物たちと人々を乗せて静かに旅立ちました。 この船の中は、決して静かではありません。ライオンがネズミに道を譲り、キリンが窓から顔を出し、ゾウの大きなくしゃみが響き渡る…！ あらゆる動物たちが、それぞれの鳴き声をあげ、所狭しとひしめき合っています。 船の下の甲板では、人々が忙しくも楽しげに働いています。食料を運んだり、動物たちの世話をしたり、あるいはただ隣の人とおしゃべりを楽しんだり。不安な船旅のはずなのに、そこにはグラハム・クラーク氏の絵らしく、どこかユーモラスで、人間味あふれる温かい日常が息づいています。 彼らは皆、この旅の終わりに待つ、新しい世界の訪れを信じています。大いなる洪水を乗り越えた先に、きっと平和で穏やかな大地が広がっているだろうと。 一羽の鳩が運ぶ、小さな希望の便り 長い船旅の終わり、ノアおじいさんは一羽の白い鳩を空に放ちました。鳩は遥か彼方へ飛んでいき、やがてオリーブの若枝をくわえて戻ってきました。 それは、水が引き始め、新しい命が芽吹いている証。大地が再び姿を現し、平和な日々が戻ってくるという、待ち望んだ「希望の便り」でした。 この絵のタイトルが《平和の鳩（Dove of Peace）》であるのは、まさにこの故事に由来しています。一羽の小さな鳩が運んできた希望が、船に乗った全ての命を救い、新しい世界の平和を告げたのです。 グラハム・クラーク氏は、このノアの箱舟の物語を通して、どんな困難な状況の中にも必ず希望はあり、そして何気ない日常の中にこそ平和や幸福は宿るのだというメッセージを、ユーモアと温かさを込めて描いています。 船の中の賑やかな動物たちも、働く人々も、そして周囲に描かれた一つ一つの小さな命も、全てが平和な新しい世界への希望を乗せているのです。 作家：グラハム・クラーク（Graham Clarke） タイトル：Dove of Peace（平和の鳩） 技法：銅版画（エッチング） エディション：112/250（限定版） サイン：作家直筆サインあり 額装：木製ゴールドフレーム／アクリル仕様 サイズ：絵寸法　縦　32.0㎝　横　23.5㎝ 　　　　額寸法　縦　43.0㎝　横　32.5㎝　厚み　1.1㎝